ソーシャルレンディングは投資であり、リスクがある。
ソーシャルレンディングは、預金のような元本保証性のある商品ではなく、あくまでも、純粋な投資商品です。
それゆえ、リスクもあります。
元本割れのリスク
ソーシャルレンディング投資というのは、
ソーシャルレンディング事業者(匿名組合の営業者)と、ソーシャルレンディング投資家(匿名組合の、匿名組合員)と間の、匿名組合契約によって成り立ちます。
そして、匿名組合契約において、
営業者、すなわち、ソーシャルレンディング業者は、匿名組合員、すなわち、投資家に対して、
元本保証を行いません。
ソーシャルレンディング業者(営業者)が負うのは、
あくまでも、事業(ファンド)において利益が出た場合に、その利益を、投資家に対して分配する義務だけです。
逆に言えば、利益が出なければ、営業者は、匿名組合員に対する分配を行う義務を負いません。
さらに言えば、ファンドの事業に損失が出た場合、
営業者は、その損失を、匿名組合員のために補てんするような義務は、負いません。
これらの事情により、
ソーシャルレンディング投資家は、その投資元本について、元本割れのリスクを許容する必要があります。
延滞発生リスク
ソーシャルレンディング業者が行う最終分配(投資家に対する元本の償還)の原資は、
借り手企業がソーシャルレンディング業者に対して返済する、融資金の元本です。
逆に言えば、借り手企業からソーシャルレンディング事業者への元利金返済が遅延すれば、
ソーシャルレンディング業者から投資家への分配も、当然、遅延します。
借り手企業からソーシャルレンディング業者への元利金返済が遅延した場合、ソーシャルレンディング業者は、
投資家への分配を優先して行うために、自己の資金を拠出するような義務を、一切、負っていません。
「借り手企業からの元利金返済がストップしているため、投資家の皆さんへの分配も出来ません」
これで、話は通ってしまうのです。
債権回収が不調となるリスク
匿名組合契約において、匿名組合員、すなわち、投資家は、
ファンド(匿名組合)の事業に関連するすべての業務の執行権を、何ら、有していません。
業務の執行権は、完全に、営業者に帰属します。
すなわち、借り手企業が期限の利益を喪失した場合、
営業者は、借り手企業からの債権回収に努めますが、
この債権回収業務も、匿名組合の営業者、すなわち、ソーシャルレンディング業者が、独断にて、行うことが可能です。
このため、どれだけ担保物が優秀であったとしても、
ソーシャルレンディング業者(営業者)の債権回収能力によっては、その優秀さが十分に発揮されない、という恐れがあります。
ソーシャルレンディング業者破綻時のリスク
匿名組合契約において、投資家(匿名組合員)の出資した資金は、あくまでも、営業者(ソーシャルレンディング事業者)の資産として取り扱われることとなります。
※より正確には、ソーシャルレンディング業者にとっての「預り金」勘定となります。
すなわち、
万が一、ソーシャルレンディング業者が経営破綻し、その時に、租税債権など、極めて効力の強い債権(ソーシャルレンディング事業者にとっては、債務)が、多額に存在する場合、
清算時のソーシャルレンディング業者の純資産状況によっては、
投資家がソーシャルレンディング業者に預けている資金についても、棄損してしまう恐れがあります。
ソーシャルレンディング投資を検討するなら、リスクについては放念なきよう。
ソーシャルレンディングにおいては、上掲したように、複数のリスクがあります。
もしもソーシャルレンディング投資を真剣に検討するのであれば、
こうしたリスクの存在について、決して、放念してはなりません。